人としての尊厳を守る介護

高齢者の尊厳を守る声掛けのポイント

高齢者の尊厳を守るために

介護とは高齢者のサポートをするだけではなく、もっと大きな意義と役割があります。その中の重要な項目として「高齢者の尊厳を守る」ことがあります。当サイトは尊厳を大切にする介護について紹介しています。

2019.09.23

同意を求める声掛けがポイント

声掛けが重要

2000年4月から介護保険がスタートし、最初の改正が行われた2005年には尊厳の保持を目的とする項目が追加されました。尊厳の保持ができていないと国が判断したとも考えられる改正ですが、実際に介護職員の利用者に対する虐待などがニュースに出ることもあります。虐待を行わないのは当然ですが、尊厳の保持を考えて日々の検証をしていく取り組みが行われました。
この検証によって明らかになったこととして、声掛けができていないスタッフが多いということです。声掛けは尊厳を守ることのひとつでしかありませんが、この基本ができていない人がとても多いです。特に、できていると思っているけれど実際はできていないケースがほとんどです。

声掛けが重要

正しい声掛けとは

実際に現役で働く介護職員に声掛けの課題に取り組んでもらった際に、多く見受けられた間違いについて紹介します。「利用者のAさんはベッド上で臥床している。昼食のために食堂へ行く際の車椅子への移乗を声掛けしてください」この課題に対して、介護職員の多くは「Aさんこんにちは。お昼ご飯の準備ができたので車椅子に移って食堂に行きますね」といった声掛けをしていました。これは丁寧な言葉を使っていますし何も問題ないように見えますが、実は声掛けのポイントが押さえられていません。
声掛けは「挨拶」「体調確認」「介護内容説明」「同意」4つのポイントをすべて押さえて初めて声掛けとして成立します。つまり、先ほどの解答例では本人の自己決定が欠けていることに気付くはずです。
「こんにちはAさん。体調はいかがですか?食欲はありますか?」
「トイレは行かれますか?」
「お昼ご飯の準備ができました。車椅子に移っていただいて食堂に行こうと思いますが、よろしいでしょうか?」
これが声掛けです。

正しい声掛けとは

尊厳を守る声掛け

食堂に行くか行かないかであったり、今食べるか食べないのかであったりを決めることができない利用者さんも多いです。しかし、尊厳を守ることはその人らしさを大切にすることですので、自分の意思で決定する機会が必要です。忙しいからそんなことはできないと感じる人もいるかもしれませんが、日々同意を求める声掛けをしなければ尊厳は守れません。いつかは自分も介護を必要とする時が来ますが、その際になにひとつ決めることができなければどうでしょうか。日々の生活を自分で決めることができる人生を最後まで送りたいと考えるはずですので、利用者さんの尊厳を守るために同意を求める声掛けを意識しましょう。

尊厳を守る声掛け

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