人としての尊厳を守る介護

高齢者の排泄ケアは敬意を持って取り組む

高齢者の尊厳を守るために

介護とは高齢者のサポートをするだけではなく、もっと大きな意義と役割があります。その中の重要な項目として「高齢者の尊厳を守る」ことがあります。当サイトは尊厳を大切にする介護について紹介しています。

2019.08.23

デリケートなケアは敬意を持って

排泄ケアとは

排泄障害とはトイレに行けない、トイレを使えない、排尿や排便ができない状態です。手すりを使ってもトイレまで行くことができなかったり、運動機能障害によって便座に座ることができなかったり、内臓機能障害でそもそも排尿や排便ができなかったりと、排泄障害の原因はさまざまです。認知機能によってトイレで排泄をするという習慣を失っていることもあります。
排泄ケアはこのような状態の利用者さんに対して、適切な排泄の介助を行うことをいいます。トイレへの誘導支援やポータブルトイレへの移乗支援、オムツや下着の交換などを行い、骨盤底筋訓練や膀胱訓練などによって、自力で排泄できるまで機能回復を行います。排泄をお手伝いするだけでなく、自分で行えるようにするリハビリ補助の目的もあります。

排泄ケアとは

排泄障害のきっかけ

排泄ケアが必要となる原因には加齢による機能障害や認知症状などがありますが、事故や病気による入院が原因のことも多いです。事故や病気で入院すると、医師は命を優先的に治療しますので、安静が必要な患者さんに対しては便器に移動させずに、紙おむつなどを使用して排泄させることもあります。若い人であれば退院と同時におむつが外れることがほとんどですが、高齢者は退院できる状態でもおむつは外せないこともよくあります。そのため事故や病気で要介護度が上がっている高齢者はとても多くいます。

排泄障害のきっかけ

排泄ケアはデリケート

加齢によって身体機能が衰え、身体にさまざまな機能障害が生じることは自然の摂理ですので、不思議なことでも恥じることでもありません。しかし、実際に身体機能の衰えなどから失禁をしてしまうようになると、本人としては大きなショックを受けたり、現状を認めたくないと感じるものです。このような感情から、失禁したことを知られたくないと思って汚れた下着を隠してしまうことがあります。また、おむつをするのが嫌だと拒否して、家族や介護職員に暴言を吐いてしまうことも珍しくありません。
このように排泄ケアはとてもデリケートなケアであるため、言葉の掛け方や対処についてよく配慮しなければ尊厳を守ることが難しいです。排泄障害は社会への参加意欲を低下させたり、自尊心が保てなくなるリスクがあります。排泄ケアを失敗してしまうと尊厳を守ることができず、自分らしい生活を失ってしまうことにもつながってしまいます。相手に対して敬意を持ってケアし、高齢者の自尊心を傷つけないようにする介助を心がけなければなりません。

排泄ケアはデリケート

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